令和4年度の休眠会社のみなし解散の手続きが始まりました

みなし解散とは

閉店・廃業のイメージ

最後に登記を申請した時から12年が過ぎた株式会社*は、法務局が毎年行っている「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」の対象となります。

整理作業の対象となった株式会社については、法務大臣による官報公告と法務局からの通知がされ、官報公告から2か月以内に所定の手続きが行われない場合、登記官の職権で解散の登記がされます。これを「みなし解散」といいます。

*株式会社以外にも、最後の登記から5年を経過している一般社団法人または一般財団法人も対象となります。



今年度の手続きのスケジュール

カレンダーとスケジュール管理

令和4年10月13日に、法務大臣による官報公告が行われ、対象となる会社・法人に対して管轄の法務局から通知書が発送されました。令和4年12月13日までに、対象となった会社・法人は「まだ事業を廃止していない」旨の届出を提出するか役員の変更等の必要な登記申請を行う必要があります。対象となったにも関わらず期限までに「まだ事業を廃止していない」旨の届出も登記申請も行わなかった場合、令和4年12月14日付で解散したものとみなされ、職権で解散の登記がされます。



解散の登記がされることの影響

解散の登記がされた株式会社は通常の株式会社ではなく「清算株式会社」となり、会社の事業活動は清算(≒会社の業務や財務を会社廃業に向けて整理すること)のために必要な範囲のみに限定されます。

つまり、解散の前と同じような事業活動を行うことはできなくなります。また、取締役と代表取締役はその地位を失います。

法務局のイメージ

みなし解散≠株式会社の消滅

株式会社は解散の登記がされたことで自動的に消滅するわけではありません。株式会社を消滅させるには、法律の定めに従って清算に関する様々な手続きを行い「清算結了の登記」をする必要があります。

株式会社の清算に関する登記申請書の記載例

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#1-15

(タップまたはクリックすることで法務局のウェブサイトの該当ページが開きます)



もし通知書が届いたら

事業を継続しているにも関わらず通知書が届いた場合、期限内に手続きを行う必要があります。通知に従って期限内に所定の手続きをご自身で行うか、お近くの司法書士や司法書士会の無料相談などでお早めにご相談ください。

通知書の例

法務省による解説ページ(ページ中程に通知書の例があります)

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00083.html

※法務省のウェブサイトへ移動します

今の登記の内容を確認するには

「会社の登記に今どういうことが載っているのか」「最後に登記を申請したのはいつなのか」を確認方法の一つとして、法務局の窓口などで会社の「登記事項証明書」を発行してもらって確認する方法があります。

また、「登記情報提供サービス」(https://www1.touki.or.jp/gateway.html)を利用すれば、法務局に行かなくてもオンラインで最新の登記情報を確認することができます。



本店の移転や商号の変更をしている場合の注意点

法務局からの通知書は登記されている本店の住所の登記されている商号に宛てて送付されます。

本店所在地を移転したものの本店移転の登記を申請していない場合、元々本店があった住所宛てに通知書が送付されるため、通知書が届かないことも考えられます。

また、会社の名称(商号)を変更したものの商号変更の登記を申請していない場合、通知書は元の商号で送付されるため、通知書が届かないことも考えられます。

このように通知書が届かず整理作業の対象となっていたことが分からなかった場合であっても、期限までに届出の提出か登記申請のどちらかの手続きが行われない限り解散の登記がされます。会社の本店や商号を変えたときには、本店移転や商号変更の登記も忘れずに申請するようにしましょう。