相続登記の方法

土地や建物の持ち主(所有者や登記名義人と呼ばれることもあります)がお亡くなりになられた後、それらの不動産の名義を遺産分割協議や遺言書により不動産を取得することになった方の名義に変更する手続きのことを一般的に相続登記といいます。

相続登記は、「登記の申請書と附属書類(戸籍謄本など)」を「不動産の所在地を管轄する法務局」に「提出」して申請します。また、申請の際には所定の金額の「登録免許税」を法務局に納める必要があります。

このページの主な内容

このページでは、「相続登記の手続きをこれから行う方」「相続登記の手続きを検討をされている方」向けに、相続登記の手続きの方法について司法書士が解説いたします。

相続登記のイメージ


相続登記で必要な書類の書き方や準備方法

法務局のウェブサイトに、相続登記の代表的な4パターン(遺言書による相続、遺産分割協議による相続など)について、登記の申請書の書き方や必要な附属書類に関する説明が掲載されています。こちらを参考にすることで自分自身で申請書や附属書類を準備し手続きを行うことも可能です。

「不動産の所有者が亡くなった」(法務局のウェブサイト)

http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/fudousan4.html

(タップまたはクリックすると法務局のウェブサイトに移動します)

相続登記の添付書類の例


登記を申請する法務局の探し方

不動産の所在地により管轄する法務局があらかじめ決められて、相続登記は管轄の法務局に対して申請することになります。

宮城県での管轄地域と管轄法務局は、仙台法務局のウェブサイトで調べることができます。

「管轄区域一覧」(仙台法務局のウェブサイト)

http://houmukyoku.moj.go.jp/sendai/table/shikyokutou/all.html

(タップまたはクリックすると仙台法務局のウェブサイトに移動します)

管轄区域一覧の見方

一覧表の中央の〈不動産登記管轄区域〉で不動産がある市町村名を探し、該当箇所の左側に記載されている法務局・支局・出張所が管轄する法務局となります。

例えば、不動産が「仙台市」にある場合は「仙台法務局(本局)」で相続登記を申請することになります。また、不動産が「岩沼市」にある場合は「名取出張所」で相続登記を申請することになります。

法務局のイメージ


申請書や添付書類の提出方法

相続登記は管轄の法務局に登記の申請書と附属書類を提出して申請します。提出方法には次の3つの方法があります。

  1. 法務局に行って、窓口で申請書と附属書類を提出する
  2. 申請書と附属書類を郵送する
  3. 「登記・供託オンライン申請システム」を使ってオンラインで申請する

対象となる不動産が遠方にある場合でも、「郵送」または「オンライン申請」を使って申請することができますので、遠方の法務局までわざわざ出向く必要はありません。

オンライン申請のイメージ


相続登記の登録免許税

相続登記の申請の際には、所定の金額の登録免許税を納める必要があります。納付方法には、申請書に収入印紙を貼って納める方法と電子納付(ネットバンキングやATMからの納付)の2つの方法があります。

登録免許税の金額の計算方法

登録免許税の金額は、「不動産の価額」に「登記の原因により決まる税率(例:相続の場合0.4%)」を掛けた金額となり、その金額に100円未満の端数があるときはその端数は切り捨てとなります。

例えば、計算の結果が12,345円となった場合、100円未満の部分を切り捨てた12,300円が納める金額となります。

不動産の価額とは

一般的には「固定資産税評価額」と呼ばれている市町村で管理している固定資産課税台帳に登録されている価格のことで、その金額に1,000円未満の端数があるときはその端数は切り捨てとなります。

不動産と登録免許税のイメージ

相続登記の登録免許税の免税措置

2025年3月31日までの間に申請する一部の相続登記については免税措置が設けられていますので、該当する場合には免税措置の適用を受けることができます。なお、免税措置の適用を受けるためには、登記の申請書に所定の文言を記載する必要があります。免税措置の詳細は仙台法務局のウェブサイトに掲載されています。

「相続登記の登録免許税の免税措置について」(仙台法務局のウェブサイト)

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000017.html

(タップまたはクリックすると仙台法務局のウェブサイトに移動します)


相続登記の義務や期限

相続登記は、現時点では義務ではありませんので必ず行わなければならないものではありません。また、現時点では何年以内に行わなければならないという期限もありません。このため相続が発生した直後に行うこともできますし、しばらく時間が経ってから行うこともできます。

しかし、相続登記を長期間放置することで次のようなデメリットが生じる可能性があるため、当事務所では、不動産の持ち主がお亡くなりになられた場合、可能であればあまり時間を置かずに相続登記の手続きを行うことをお勧めしております。

相続登記に関する疑問のイメージ

放置のデメリット その1

相続登記の手続きをする前に相続人となった方が亡くなることで、新たになくなった相続人の相続人も最初の相続登記の手続きに関与する必要が生じる場合があります。これにより手続きに関与する当事者の人数が増えたり相続関係が複雑になることが考えられます。

放置のデメリット その2

相続人となった方が認知症になったり行方不明になったりしたことで、相続登記の前提として、別の手続きを行わなければならなくなる場合があります。この場合、前提となる手続きに関する手間や時間、費用が追加となります。

放置のデメリット その3

相続発生時は相続人同士の人間関係は問題なかったものの、その後時間が経過したことで各相続人の経済状況や健康状態などの様々な事情が変わり、当初は良好だった相続人同士の関係が悪化し、手続きが円滑に進められなくなることがあります。


相続登記の義務化が始まります

相続登記の義務化に関する法案が2021年4月21日に成立しました。この法案の成立により、2024年4月1日から相続登記が義務化されることになりました。相続登記の義務化については、当ウェブサイトのこのページ(タップまたはクリックすると移動します)で詳しく解説しています。


相続登記は当事務所にお任せください

当事務所では、お客様のご要望に応じ、戸籍謄本の収集・確認や遺産分割協議書などの書類の作成まで相続登記をするために必要な準備をほぼ丸ごと承ることもできますし、登記申請の部分だけ承ることも可能です。お客様に極力ご負担がかからない形で進めて参りたいと存じますので、まずはお気軽にご相談ください。